【転職・昇進に必須】臨床検査技師が取るべき資格«専門資格編»

私は臨床検査技師として7年ほど働いております。
その中で病院、クリニック(健診・ドック)、検査センターと渡り歩いてきました。つまり2回転職しているわけですが、実際には10社ほど内定をもらいました。
転職を成功させるためにそれぞれの職場で数々の資格を取り、自分の武器としています。
さて臨床検査技師として数年~10年ほど働いていると自分をグレードアップしたいとか新しいことにチャレンジしたいという思いが沸いてくることでしょう。
より高収入を得たい、新しい職場に移ってみたい、今とは違う仕事をしたい…そんな次のステップに進むため必ず必要になってくるのが「資格」です。
ステップアップを申請するうえで根拠・強みとなるものです。
今回は臨床検査技師として取得できる専門領域の資格についてどんなものがあるのか確認していきましょう。
この記事では以下の内容で進めていきます。
私は主に生理機能領域で仕事していましたので、そのあたりの資格を多く取得しました。病院からクリニックに転職するときは良い人材だと判断されたらしくかなりの武器になりました。
しかし2度目の転職では生理機能以外の仕事をしたかったため医療以外の分野も含め幅広く資格を取った結果、選択肢も増え現在は充実した毎日を送っています。
人事部や上司と雑談しているとやはり「資格は強いな」といった話になり心の中で誇らしい気分になっています。
ということで今回は自分の経験や人事部・先輩や上司の話をもとに取るべき専門資格などについて書いていきたいと思います。
目次
取るべき資格
資格を紹介する前に1つだけ大切な心構えをお伝えしたいと思います。
それは実際に資格を申し込むときや勉強している時に「なぜこの資格をとるのか」を明白にしておくということです。
現在担当している仕事に関わる箇所ならモチベーションを保てますが、担当業務と直結しない箇所の勉強はなかなか酷なものです。しかし資格取得後のビジョンが見えていれば、この箇所も重要な知識だと思えるはずです。
別記事での各資格の詳細では取得することでどんな強みを得られるかについて解説していますので参考にしていただけたらと思います。
では分野ごとに臨床検査技師が取得すべき専門資格を紹介していきます。
また今回紹介する資格は数が多いので分野ごとに詳細記事を用意しておりますのでそちらで確認ください。(ご面倒お掛けします…)
病理分野

〇認定病理検査技師
病理検査全般の認定資格です。
〇細胞検査士
細胞診の知識・技術を証明できる資格です。
〇電子顕微鏡一般技術認定
そもそも病理担当者でも電子顕微鏡を扱うことは少ないため、取得していれば大きな力となります。
〇認定サイトメトリー技術者
血液や腫瘍検査で一歩秀でた存在になれる資格です。医療業界以外でも武器になります。
〇認定移植コーディネーター
移植コーディネーターとして働くために必要な認定資格です。
〇臨床培養士
細胞培養を専門とする資格です。再生医療に関わる深い知識を得ることができます。
遺伝子分野

〇臨床細胞遺伝学認定士
遺伝子系の資格の中で臨床領域の資格になります。
〇認定染色体遺伝子検査士
遺伝子検査を行う一部病院や検査センター、研究機関の求人では必須条件になっていることが多いです。
生理機能分野

〇超音波検査士
一般病院の求人のほとんどが超音波検査士を求めています。
〇心電図検定
心電図判読への知識を証明できる資格です。どなたでも受けられます。
〇認定心電検査技師
医療従事者で心電図検査全般(安静心電図や運動負荷、モニター心電図など)の技術と知識を証明できる認定資格です。
〇血管診療技師
血管に関する検査(超音波、造影CTなど)の知識・技術を証明できます。
〇平衡機能技術講習
日本めまい平衡医学会が主催する平衡機能検査の知識・技術を修得でき受講証明書をもらえます。
〇聴力測定技術講習
聴力検査を担当している技師にはありがたい講習です。
内視鏡分野

〇第一種、第二種消化器内視鏡技師
内視鏡医の介助が仕事になります。担当者なら検査技師以外でも取得可能です。画像検査に携わるのであれば取得しておきたい資格です。
検体検査分野

〇一級、二級臨床検査士
臨床検査技師の経験を証明できる上位資格です。
〇緊急臨床検査士
未取得の検査技師に比べ、現場での発言力・指導力を発揮できる資格です。緊急検査に携わっているのであれば必ず取得したい資格です。
〇認定輸血検査技師
輸血業務に関する認定資格です。
〇認定血液検査技師
血液検査に関する認定資格です。
〇認定微生物検査技師
微生物検査全般の認定資格です。
〇認定一般検査技師
一般検査に関する認定資格です。
〇排尿機能検査士
従来は医師が一人で抱えていた分野でしたが、排尿機能検査士制度により需要が高まってきています。
〇認定化学・免疫化学制度保証管理検査技師
臨床化学、免疫化学における認定資格です。
〇毒劇物取扱管理者
各種薬品の知識を証明できる資格です。
〇危険物取扱者
危険物指定されている各種薬品の知識を証明できる資格です。
〇特定化学物質・四アルキル鉛等作業責任者
臨床検査の現場では有機溶剤等の検査に携わる際に基礎知識を証明できます。
〇臭気判定士
人の嗅覚を用いる臭気環境分野の国家資格です。臨床現場には直接関係はしませんが、化学物質の臭いをかぎ分けられる能力は医療事故を未然に防ぐことができるかっもしれません
〇バイオセーフティ技術講習会
医療安全の基礎であるバイオセーフティについての講習です。
〇滅菌技師
滅菌供給業務を行う滅菌技師ですが、それに携わらない検査技師でも滅菌の深い知識を身につけることは大きな武器となります。
工学・放射線分野

〇第一種、第二種ME技術実力検定
医療機器・システムの保守管理や安全管理の知識技術を修得できます。検査技師も多くの医療機器を使用するため、急なトラブルにも対応できる医療人になれます。
〇MR専門技術者
MRIの知識・技術を証明できる資格です。画像検査を行う検査技師は取得しておきたい資格の1つです。
健康サポート分野

〇健康運動指導士
運動プログラムの作成や指導計画の調整を行うための資格です。臨床検査技師でも健診センターや人間ドック等で受診者にアドバイスする際に土台となる知識です。
〇健康運動実践指導者
上記の健康運動指導士が作成したプログラムを実際に指導し行うための資格です。先ほどと同様に受診者にアドバイスする立場であれば、健康運動指導士と一緒に保有していれば大きな信用をえられるでしょう。
〇日本糖尿病療法指導士
糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートであることを証明してくれる資格です。糖尿病の生活指導に携わらない技師でも、糖尿病の深い知識と現場のアプローチ方法を習得できることはデメリットにはなりません。
〇栄養サポートチーム専門療法士
静脈、経腸、経口による栄養管理の知識習得を証明できる資格です。
治験分野

〇治験コーディネーター
治験領域の実際に被験者と関わる部分でのアプローチ方法を習得できます。いざ職に困った際にも生きてきますので、保有していて損はありません。
〇臨床開発モニター
治験領域において企業(製薬会社等)側で医療機関とコンタクトを取る立場になります。
不妊治療分野

〇不妊カウンセラー
妊活を支える不妊に関する知識のエキスパートです。実際に不妊治療に関わらずとも、職場内に不妊治療(体外受精)科があれば、それに関わる検査オーダーが出るはずです。知識習得・不妊治療の実態を知っている技師として大きく貢献できるでしょう。
〇体外受精コーディネーター
不妊治療において特に体外受精領域の専門で、患者にアプローチする立場です。不妊カウンセラー同様、職場内に該当診療科があれば取得するべきです。
〇認定臨床エンブオロジスト
不妊治療において実際に顕微鏡受精等を行える資格です。
情報管理分野

〇医療情報技師検定
医療情報システムに関する知識と保健医療福祉のあらゆる分野の業務と関連知識を修得することで医療システムを改善していくことが本来の業務です。しかし検査技師を含む他医療従事者もシステムの仕組みを深く理解することは重要です。この資格を持っていれば広い知見を持つ技師として重宝されます。
〇診療報酬管理士
診療報酬について詳しく勉強したことはありますでしょうか。ほとんどの検査技師は自分の関わる部分でしか知らないことが多いです。この資格を取得することで周りと差がつけられるでしょう。
1つの行動で合格率が変わる
«申し込む前に必ず行ってください»

さあ資格を取ろうと思い、さっそく申し込んで勉強を始めると思います。しかしそれでは合格率は30~60%は下がるでしょう。
あるたった1つの行動をするだけで合格率を上げることができます。それは、申込前にスケジュールを立てることです。なんとなくではだめですよ。
ポイントを下に挙げます。
[2つ以上の資格取得を狙う]
これは単純に時間が限られているからです。そもそもなぜ資格を取りたいのでしょうか。
趣味や現在の担当職を形として残したいという理由もあると思いますが、転職や昇進のために取得しておきたいという方が多いのではないでしょうか。ではいつ転職・昇進する予定ですか?
将来設計している方もいつヘッドハンティングや昇進の話が来るか分かりません。つまりゆったりと1つずつ資格を取っていてはいつ舞い降りてくるかわからないチャンスを逃してしまうことになります。
いざというときに準備万端な状態で迎えるためにも今取得できる資格を複数狙っていくことが大切です。
[無理のないスケジュールを組む]
人間はやる気スイッチが入るとついつい理想のスケジュールを立ててしまいます。飽きやすい(3日坊主)人もストイックに継続できる人も、ゆとりないスケジュールでは集中力は60~80%下がり作業効率が落ちてしまいます。
ではどうしたらいいか。以下の3つのポイントを押さえてください。
●今日はやりたくないなあと思ったらその日はやらない(週に1日まで)
●1つの資格に対して1日の勉強時間は1~2時間までにする。
●20分に一回は5分間の休憩(コーヒーブレイク)をとる(切りの良いところまでやるにしても30~40分に1回は休憩する)
これらを押さえればダラダラせず短い時間ですんなり頭に入ってきます。
国家試験を合格したあなたであれば問題ないと思いますが、数多くの資格を取得してきた私の仕事と両立できる勉強方法を一応以下の記事で解説していますので、あなたにない部分を取り入れてみてはいかがでしょうか。
スケジュールの立て方
大切なことは試験日から逆算してスケジュールを立てることです。これは必ず試験申し込み前に行ってください。なぜなら申し込んだはいいものの思ったより勉強量が多すぎて試験日に間に合わないということが起きるからです。
スケジュールを組む手順を解説します。
この作業を事前にするのとしないのとでは合格率に圧倒的な差が出ます。申し込んでから蓋を開ける(勉強内容を確認する)のでは手遅れなのです。
失敗しない参考書の選び方

せっかくスケジュールを立てても参考書選びに失敗してしまうと本末転倒です。参考書は「よさそうだな」という感覚だけで選んではいけません。
ここでの解説は長くなってしまうのでポイントだけを紹介します。
以下の記事ではこれらポイントを深掘りして具体的に解説しています。実際に書店に行く際には、事前に読んでおくことをおすすめします。
まとめ
今回は臨床検査技師が取得しておくべき専門資格を紹介しました。
資格は最もかんたんに個人を客観的に評価できるものです。ですから臨床検査技師というだけではなく1社会人としての資格も取得しておかなければなりません。
以下の記事では社会人が取得しておくべき資格を紹介していますので合わせて参考にしてみてください。
また私のブログでは今回のような、臨床検査技師関連の記事やスキルアップに関する記事を更新しています。他にもお悩みがある方はぜひ他記事もご覧になってみてください。
カテゴリーページ:臨床検査技師
カテゴリーページ:スキルアップ
今回もお読みいただきありがとうございました。
ではまた次回に。。
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