『こうもんが痛い、かゆい!』痔の治療は早急に。爆発する前に対処しよう!

排便後に出血したり、長時間座っているとお尻に何とも言えない痛みが起こることありませんか。
最初は軽度のものでも放っておくと出血量が増えたり、出てきた痔がなかなか元に戻らないなんてことになってしまいます。
私は中学生の時に軽度の症状が発症し20代前半に手術に手術するまで、症状が出ない時期もあり約10年ほど放置していました。
手術するまでの数年間は爆弾を抱えているような気持ちで実際の症状も本当につらいものでした。
そんな状況を共感できる方も多いのではないでしょうか。
今回は痔の基礎知識とともに、私の経験談も紹介していきたいと思います。
まだ痔が悪化していない方も日々辛い思いをしている方もこの記事を読んで早急に正しく対処いただければ幸いです。
目次
痔の基礎知識
今この記事を読んでいる方は、何かしらおしりの問題に悩んでいることでしょう。
対処について知っていただく前に、まずは痔はどのようなものなのか全体像を知っていただきたいと思います。
裂肛(切れ痔、裂け痔)
排便時にピリッと痛みが走ることってありませんか?
それは裂肛かもしれません。
(原因)
硬く大きな便を出すときに直腸との過度な摩擦や、肛門が裂けることで痛みや出血が起きます。
また下痢でも過度の摩擦が発生するため、注意が必要です。
悪化・放置していると傷口から菌が体内に侵入したり、ポリープや潰瘍ができてしまいます。
これは慢性化した状態のため別に慢性潰瘍性裂肛と言います。
ポリープ・潰瘍ができることで周囲が炎症により腫れあがり、便秘がちになります。
悪循環です。さらにいぼ痔も併発するリスクも高まります。
(治療)
①対症療法…便秘・下痢を治す
①’塗り薬などを処方または市販薬を使用する
②手術…慢性化した状態で潰瘍・ポリープができた場合
肛門が狭い場合(肛門狭窄)
痔核(いぼ痔)
排便時になにかでてきたけど、しばらくしたら引っ込んだ。
とか仕事中おしりに鈍い感じで痛むときがある。
これはいぼ痔の可能性があります。
痔にはできる箇所(直腸の歯状線が境界線)によって内痔核、外痔核に分けられます。
(原因)
便秘、下痢、立ち仕事、出産などありますが、これらはすべて過度に腹圧がかかった状態になります。
お腹の圧力が高くなると多くの血管が集まる直腸で鬱血が起こります。
(直腸静脈叢が鬱血し瘤を形成する)
上からの圧力で心臓に戻る方向の血流が悪くなってしまうのです。
他には血流障害という意味ではストレスや冷えも原因になります。
また痔というと高齢者に多いイメージを持っている方もいるでしょう。
実際その通りで高齢化により組織がもろくなったり、筋力低下によって直腸が肛門へ垂れ下がってくるのです。
(治療)
外痔核と内痔核の初期段階(飛び出た痔が自然と戻る)では、対処療法に加え塗り薬や座薬などで対応していきます。
内痔核は進行した状態だと手術が必要になります。
手術方法は複数ありそれぞれ長所・短所はありますがすべてに共通して言えることは、痔が進行した状態であればあるほど手術も大がかりとなり入院期間も長くなることが多いことです。
手術方法については別の記事で詳しく解説します。
細菌感染(肛門周囲膿瘍→痔ろう)
ある時から肛門が腫れてものすごく痛くなった。
そのまま病院に行けば良いですが、しばらくしたら痛みが治ったので特に治療はしなかった。
という場合はほどなくしておしりから膿が垂れ流れ続ける日々が訪れることでしょう。
(原因)
裂肛(切れ痔、裂け痔)の項で解説しましたが、傷口から菌が感染します。
また直腸と肛門の境目付近にある窪み(肛門陰窩)に便が溜まった状態が続き、免疫力も低下していた場合に感染の原因となります。
するとその内部で炎症(腫れ、膿)が起こり肛門に痛みが走ります。
燃えるように痛い(灼熱感)場合もあります。
この状態を肛門周囲膿瘍といい、40℃近い高熱になることもあるのです。
肛門周囲膿瘍を完治させずにいると、体は膿を排出させようと道を作ります。
具体的には直腸から膿の部分を経由し肛門表面に開口します。
そして自然と膿が肛門周囲から垂れ流れてきます。
この状態が痔ろうというわけです。
(治療)
・肛門周囲膿瘍(膿が溜まっていなかった場合)
抗生剤や抗炎症薬での薬物治療を行います。
・肛門周囲膿瘍(膿が溜まっている場合)
手術:切開により膿を排出する
薬物治療も併用
・痔ろう
手術:●内側に形成された膿の排出管(ろう管)を切り開く方法(開放術)
→ろう管が直腸表面より比較的浅い部分にある場合
メリット:完治する可能性が他の術式と比べ一番高い
デメリット:術後の痛みが最も強い
肛門を締める筋肉(肛門括約筋)を切ってしまう可能性がある
●ろう管部分を切り抜き、ゴムで縛り痔ろう形成箇所を剥脱させる方法
(シートン法)
メリット:術後の痛みが少ない
完治する可能性が開放術並みに高い
治癒期間が長い分、肛門が硬くならず従来の生活を取り戻せる
デメリット:治癒期間が長い
●ろう管の部分を切り抜き、入口部分を縛る方法(閉鎖術)
メリット:術後の痛みが少ない
治癒期間が短い
デメリット:再発する可能性がある
※入院期間:程度により外来通院での治療もできるため早期に行くことが重要
術後の入院期間は通常通り排便できるまで長くて1週間~2週間
→勿論個人差、先生の判断に違いがあるためここでは具体的な期間は述べません
痔と決めつける前に(最重要!!)
痔は放っておくと悪化し結果自分が苦しむことになるのですが、軽度の症状の場合危機感は非常に薄い方もいるかと思います。
しかしその症状が痔のものでなかったら、命にかかわるものだったらどうでしょう。
すぐさま病院に向かうことと思います。
痔であったにしても重度になる前に病院にかかった方がいいのは当然ですが、それ以前に素人では他の疾患との判別は困難です。
というわけで痔と間違えやすい疾患にはどのようなものがあるのか症状ごとに紹介したいと思います。
出血がある(鮮やかな赤色)
いわゆる鮮血です。
痔の場合便の摩擦によって出血しますが痔以外にも
・直腸がん
・直腸ポリープ(便自体に血が混じるが、素人ではわかりにくい)
・大腸がん
・大腸ポリープ
などがあります。
肛門にいぼ状の塊がある
・直腸がん
・直腸ポリープ
などがあります。直腸ポリープはがん化するリスクが高いといわれているため要注意です。
中学時代から悩まされた痔
この項目は私の経験談になります。
私は中学時代におしりに違和感を感じてから、20代前半まで悪化するも「死ぬわけではないしまあいいか」と放置していました。
手術するに至った経緯と根本的な原因を書いていきたいと思います。
私は中学時代は剣道をしていました。
剣道は相手に踏み込むと同時に竹刀で打ち込んでいくのですが、今思い返すとだいぶ腹圧がかかっていたんだろうと思います。
だんだんとおしりがひりひりしてくるのです。
剣道が原因ではなくきっかけに過ぎなかったことを最近知ることになるのですが、当時は下着が擦れたんだろうと軽く考えていました。
高校時代も剣道をしていました。
症状は悪化しいぼが突出するようになり、たまに下着に1円玉大の血が付いていました。
かつて痔だった父親に出血がばれて、病院に行くよう強く言われましたが面倒だったため結局放置。
大学時代はさらにひどくなりました。
痔が出てくるとうまく肛門を調整しないと戻らなくなり、さらに突出したまま10分以上座った状態でいるとたちまち出血して椅子にまで血が付く始末。
かなりやばいと思いつつ毎日ではないので放置していると、次第に出血することはなくなってきました。
(いぼは出ますが)
※推測ですが、出血しなくなったのは痔の部分の皮膚が繰り返された摩擦により硬くなったからではないかと思っています。
そして社会人として働き始めたころは立ち仕事が多く、2時間くらいたつと痔が顔を出してきます。
何とも言えない痛みと、時折腸内の液なのか薄黄色い液が染み出してきました。
そして数年が経つといよいよ痔は自然に戻らなくなり指で押し込まなければならなくなりました。
ここで病院に行く決心がついたわけです。
情けないです本当に。
そして先生から提案された手術方法は一択で痔を切り取る方法でした。
完治はしますが、術後の痛みがとても強いのです。
手術は下半身の麻酔で、麻酔が切れ始めてくると尿意があるのに出ない、手術したところが燃えるように痛く一晩中じっとしていられませんでした。
そして1週間ほどで退院し、解放された気分になっていました。
しかし痔を切って塗った箇所はまだ糸でしっかり結ばれており(糸は次第に溶けてなくなる)、肛門に柔軟性がなく少しでも硬く大きい便だと一向に出てきません。
肛門部の排便感がどんどん強くなってきて辛かったです。
その時は浣腸薬や市販の便秘薬を使って何とか出すことができました。
退院時や通院時に酸化マグネシウム(便を柔らかくする)を処方されましたが、食生活の乱れや運動不足が改善していなかったため苦しむ結果になってしまったのです。
そして中学生という痔の患者としてはとても若い年になぜ発症したのか。
それは幼少期から排便時に踏ん張る癖がついてしまっていたからなのです。
ですからこれを読んでいるあなたに小さいお子さんがいらっしゃるならば注意してください。
痔と遺伝
結論から申しますと、痔と遺伝の直接的な関係はありません。
痔を形成する遺伝子はありませんので、遺伝することはないのです。
しかし痔になりやすい体質は遺伝します。
たとえば
・肛門が狭い…排便時にいきみやすくなる
・肛門内部の支える筋肉・組織が弱い…内部粘膜が出てきやすくなる
・鬱血しやすい体質
などが挙げられます。
従って親族に痔持ちの方がいるのであれば、一層生活習慣に気をつけて正常な排便をするように心がけましょう。
いつ病院に行くべきか
『自覚症状がでたら速やかに受診』
これが最も重要になってきます。
悪性疾患の可能性もありますし、痔の場合でも悪化し術後の苦痛や医療費、治療期間など負担になる部分が大きくなってきます。
ですからたかが痔だと思わずに思うことがあればすぐに病院に相談しましょう。
まとめ
今回は私が軽く見て苦しい思いをした痔について紹介しました。
自分も心当たりがある方はすぐに病院に行って診てもらいましょう。
心当たりがない方も、痔にならないよう生活習慣に気を付けておしりに負担を掛けないようにしていただければいいなと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。
ではまた次回に。。
コメントを残す