• ブログ主:こうさん
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『知らないうちに侵食されてる!?』家に潜むカビたち

まだまだジメジメする季節は終わりません。


私たちの影で湿気は溜まり続けています。


水回りや押し入れの隅、家具の裏など知らないうちに例の奴が侵食し始めているかもしれません。


ある時カビを発見してしまったら、大きなショックを受けますよね。


そんな時すぐにネットで調べて対処すると思います。


しかしその情報で大丈夫ですか?


カビの種類によって微妙に対処法は違うのですよ。



結局取り除けていなかったり、胞子をばらまいて終わることのないように、まず今回は目の前に生えているカビがどの種類のカビなのか正しく知るところから始めましょう。


カビの浸食も1分1秒を争うわけではありません。


目の前のカビがどの種類なのか知ったうえで各カビについての除去法や予防策を講じていきましょう。



各カビの解説と一緒に除去法・予防策を紹介した記事リンクを貼っていますので、合わせてお読みください。


除去法・予防策を紹介した記事でも、カビの生態について軽く触れています。


私は現役の医療従事者(臨床検査技師)として、カビの検査を行っていたこともあります。

病気にかかわるカビ以外にも住宅に生息するカビについても調べていました。


当時の資料や今回記事を書くにあたり読んだ文献を参考に紹介したいと思います。



ではカビについて勉強していきましょう。



生物界とカビ

まずはカビがこの地球の生物界において、どの位置に属しているのかを知っていただきたいと思います。


生物界での属性を知れば、他の似たようなイメージの菌類との区別がつき、今後もネット等で正しく調べることができると思います。


まず生物界は昔から様々な説が提唱されてきました。


最新のものは生物界を5つに分ける5界説であり、菌類が1つの分類として成立した説です。

主流となっている分類は生物界を3つに分けた3界説ですが、菌類等微生物が散らばって分類されているため、わかりやすい5界説を紹介しました。


菌類は以下のように分類されます。

・接合菌門…カビなど
・子嚢菌門…カビ、酵母菌など
・担子菌門…キノコなど


また5界説とは別の分類で微生物というくくりであれば

細菌、真菌、ウイルスに分けられカビは真菌に属します。



カビとは

上の5界説から、菌類は主に酵母菌、カビ、キノコに分けられます。


では酵母菌とカビの違いとは何でしょうか。


それは成長の仕方にあります。


酵母は丸い形状から、出芽という方式で子どもの細胞を作ります。


しかしカビは別名糸状菌ともいわれるように糸状に成長していきます。



もちろん例外として中間的な性質をもつ菌もいますが、今回は簡単にまとめました。


人の目で見ると酵母菌は丸いコロニーを形成しますが、カビは糸状であるのでふさふさした塊のように見えます。


黒カビなどは根を張らすように成長するのは、CM等で見たことがあるのではないでしょうか。



最後にまとめますとカビとは


糸状に成長しふさふさしている(または根のように成長する)

菌界は主に酵母菌、カビ、キノコに分かれている。

微生物というくくりでは細菌、真菌、ウイルスのうち真菌に属する。


ということをなんとなく知ってもらえていれば良いと思います。



カビの発生条件

カビの種類を紹介する前に、どんな条件下だとカビにとって良い環境なのかということを挙げていきます。


温度

20~30℃がカビにとって好条件となります。

といっても人間もこの温度でないと辛いですから、カビ対策での温度調節は非現実的ですね。


湿度

70%以上がカビにとって好条件です。


夏や梅雨の時期、部屋干ししたとき、湿気が溜まりやすい場所には対策を講じなければなりません。


栄養

酸素やフケなどの汚れ(タンパク質)です。


酸素はどうしようもできないですが、汚れは掃除できますので日ごろから気を付けなければなりません。


胞子

菌体は増殖するため胞子を出します。


胞子は空気中を舞いゆっくりと落下していきます。


これを防ぐためにも空気清浄機をかけたり換気する、掃除を徹底するなどして胞子を除去しなければなりません。



カビの種類

カビについてなんとなく理解いただけたかと思います。


では本題に入りたいと思います。


ここでは各カビはどんな姿をしていて、どの場所を好むのか、人体にどんな危険性があるのかを知っていただきたいと思います。


クロカビ

学名はCladosporium(クラドスポリウム属)です。



空気中にも浮遊しており、低温・乾燥下でも生存することができます。


一見黒いですが、よく見ると深緑色をしています。


表面は平らなことが多いです。


生えやすい場所

湿気や水気が多い場所を好みます。


台所、洗面所、浴室、結露が発生しやすい場所、エアコンなどに多く見られます。


よく目にするのは窓のサッシや周辺の壁だと思います。



また浴室のパッキンの黒い斑点状のカビはフォーマ属(Phoma)という別の菌種です。


人体への影響

クロカビが多く繁殖しているとより多くのクロカビが空気中を浮遊することになります。


するとその菌体や胞子が呼吸とともに人体に侵入し喘息やアレルギー症状を引き起こします。


低温・乾燥に強いため根絶しなければ繁殖は止められません。



すすカビ

学名はAlternaria(アルテルナリア属)といいます。



生態はクロカビと似ています。


空気中を浮遊しており、色も黒色(褐色)です。


乾燥・低温にはあまり強くありません。


発生しやすい場所

クロカビ同様湿気や水気の多い場所に生えやすいです。



またクロカビと異なる点は好環境であればプラスチック面にも発生するということです。


例えばエアコンの外枠などに生えてきます。


人体への影響

クロカビと同じように多く吸い込むことでアレルギーや喘息の原因になります。


また病原性があり、免疫不全(免疫力が弱まった状態)だと皮膚真菌症を発症する場合もあります。


皮膚真菌症は皮膚にカビが感染することで猛烈なかゆみ、皮膚のただれ等が症状として現れます。



高齢者がいるおうちでは気を付けなければならないカビの一つとなります。




青かび

学名はPenicillium(ペニシリウム属)です。


乾燥には強いです。


色は名前の通り青緑色をしています。


発生しやすい場所

アオカビは食べ物に生えることで有名ですが、特に果物(柑橘系)や穀類(餅やパン)は油断するとすぐに生えてきます。


他には肉や魚の加工品(ソーセージなど)にも生えてきます。


人体への影響

空気中を浮遊するため、こちらも多く吸い込むことでアレルギーの原因となります。



そして免疫不全の場合マルネッフェイ型ペニシリウム症という全身性の感染症を引き起こす可能性があります。


マルネッフェイ型ペニシリウム症は皮膚症状に始まり発熱、貧血、体重減少、肝脾腫などが現れます。骨病変や関節炎を認めることもあります。



また菌種によってシトリニンという毒素を産生し腎障害の原因になります。



青カビは食べ物に生えることで有名です。


それゆえに摂取したことで産生された毒素が体内に入り病気を発症させる可能性が高まります。


カビ自体は胃酸によって死滅しますが、カビが生えている時点でその食品は捨てましょう。


緑カビ

別名ツチアオカビと呼ばれています。


学名はTrichoderma(トリコデルマ属)です。



乾燥、温度に決して強いわけではありません。



色はやや明るい緑色です。


肉眼的特徴としてやや乾燥した面であると粉を吹いたように見え、実際除去する時には飛散するほどです。


やや湿った面の場合背丈の低い苔のように見えます。


発生しやすい場所

木材や繊維に発生します。


ですから家具の裏や床下の木材、時には衣類にも生えてくるのです。


人体への影響

緑カビの病原性はないとされていますが、空気中に飛散するので緑カビもアレルギーの原因になりえます。


また緑カビには他の菌の成長を妨げる作用があるため、同じ菌類のキノコを栽培する際には気を付けなければなりません。



白カビ

白カビは見た目での総称であり、特定の菌種ではありません。



しかし大きく分けて2タイプあり、1つ目は大きくふわふわとしたカビです。(以下写真)

このタイプはほとんどが緑カビ(トリコデルマ)と赤カビ(フザリウム)です。


両者は緑や赤といった色が名称に入っていますが、白く見える場合もあります。




2つ目として散らばるように発生するタイプでさまざまな菌種が該当します。

他にはカマンベールチーズなどチーズ類に生えるカビは見た目は白いですがアオカビの一種です。



また食品に生える白カビとしてAspergillus(アスペルギルス属)があります。


この菌種は麹菌と呼ばれて大豆製品の発酵や酒を造る際に利用されています。


発生しやすい場所

原因のカビは多種多様であるため発生しやすい場所もさまざまです。


よく見かける場所として土壌(植木など)や木材(押し入れなど)、畳といった自然の素材を好みます。


麹菌が日常で生えてきやすいものにはパン、ケーキ類、紅茶、ピーナッツ、とうもろこしなどがあります。


人体への影響

チーズ製造に用いられるカビ(ペニシリウム・カマンベルティ)はほぼ無害とされています。



しかしそれ以外の菌種は毒素を産出します。


特に危険なのが麹菌と称されるアスペルギルス属です。


日本で利用される麹菌はアスペルギルス・オリゼという菌種でアスペルギルス属でも毒素を産生しません。


それに対して他のアスペルギルス属の菌種は毒素を産生しますが、その中でもアスペルギルス・フラバスはアフラトキシンB1という超強力な毒素を産生します。


アフラトキシンB1は発がん性を持つ毒素で天然の毒素の中で上位に挙げられるほど強力です。



アスペルギルス・フラバスはナッツ類に発生することが多く、衛生管理が不足している箇所からの輸入品には注意が必要です。



赤カビ

学名はFusarium(フザリウム属)です。


乾燥・低温・高温に弱いです。


色は白色ですが、次第に赤系統の色素を産生する菌種もいます。


見た目はふわふわしたほこりのような形状です。


発生しやすい場所

土壌や木材の湿った箇所に発生しやすいです。


ある種は水中的環境にも生息するため浴室、台所にも赤い汚れとしてみられます。


人体への影響

ほとんどの種は無害とされていますが、一部毒素を産生する菌種がいます。


植物、昆虫、魚類等にも病原性があるので病原性フザリウムを経口摂取してしまうことで人体にも影響をもたらします。


マイコトキシンという毒素を産生し、人に対しては食中毒性無白血球症 (ATA) を発症させ嘔吐、腹痛、下痢、造血機能障害、免疫不全などを起こします。



さらに免疫不全の人に対して各種感染症も引き起こします。



上述の通り、浴室や植木にも発生しますが無害な菌種との判別は特別な検査を行わないとわからないです。


従ってもし発生してしまったら正しい方法で除去してください。



乾燥を好むカビ①

まず一種は学名Eurotium(ユーロチウム属)です。


別名カワキコウジカビとも呼ばれています。



乾燥、高い塩分・糖分下の環境を好みます。


色はアオカビのような青緑色や一部黄色になることがあります。


発生しやすい場所

乾燥環境:乾燥食品、和洋菓子
高塩分下:佃煮など
高糖分下:和洋菓子、ジャム
他:機器類(カメラのレンズ・フィルムなど)


人体への影響

毒性の強いカビ毒の産生は認められていません。


しかし何らかの症状を引き起こす可能性は十分に考えられます。



乾燥に好むカビ②

2つ目は学名Wallemia(ワレミア属)です。


別名アズキイロカビと呼ばれています。



乾燥と高糖分下の環境を好みます。


色は名前の通りあずき色をしています。


発生しやすい場所

洋和菓子、干し柿などの糖分が高い食品やじゅうたん、畳にも発生します。


人体への影響

カビ毒の産生はありません。


しかしアレルギーや肺疾患の原因となる場合があります。


摂取はもちろんのこと、畳やじゅうたんも日頃から清潔にするようにしましょう。



まとめ

カビはハウスダストの1つとして有名ですが、アレルギーを引き起こすだけではなく人に対して強い毒性を持つ菌種がいることも知っていただけたと思います。



カビが生えたからと適当に市販品やネットの情報(情報源が信頼できるものであればいいですが)で対応するのは安易だと思います。



その安易な対応のせいで重篤な疾患に罹ってしまうかもしれません。



ですから今回は住宅に発生するカビの生態について簡単に紹介しました。


詳しく紹介すべきカビの除去については別の記事にまとめてありますのでそちらをご覧になってください。




今回もお読みいただきありがとうございました。



ではまた次回に。。

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